光ることを忘れた太陽。



◇◆◇



家を出てから、1人で学校までの道のりを歩く。


まだ残っている雪がキラキラと輝いている。


木にはたくさん積もり、枝からははらはらと舞っている。


綺麗だなぁ。




意識を雪景色から学校へ続く道に戻すと、後ろからなんだか怪しげな気配がした。


チラッと後ろを覗いても……見えない。


そう、それが “ あの人 ” だったんだ。




「咲希、おはよ」


「あっ、尚。おはよう!」



こんがりと焼けた黒い肌。


スラッと伸びた身長。


周りから視線を集めるようなスタイル。


フワッと香る柔軟剤の匂い。


そして、誰が見てもかっこいいって言うような整った顔立ち。



黒縁の眼鏡が頭の良さを引き立てる。


笑顔が人気の彼は、私のクラスメート。