俺は、そんな尚也を見ないフリしてた。
どの道を選ぶか。
俺は、尚也といることよりも咲希ちゃんといることを選んだ。
桜蘭ちゃんを振って、咲希ちゃんを想い続けることを選んだ。
でも尚也はその選択よりも、気持ちが大切だと言った。
じゃあ、咲希ちゃんを想う気持ちが1番大切……ってこと?
「自分がどうしたいか。他の人に縛られてちゃ自分の意思じゃねーよ」
俺はこのとき、なんで気づかなかったんだろう。
尚也の、苦しそうに何かと闘っている様子に。
「……正解は1つじゃないって、身に染みてわかった気がする」
あのとき、咲希ちゃんについても尚也についても。
誰の味方でいたって、それはきっと自分の意思だった。
だからこれは、間違いなんかじゃない。
自分が誇りをもって言えるなら、それだけで正解なんだ。



