空を立ち止まって見る余裕なんて、今までなくて。
自分のことで精一杯になってて。
この空の美しさにも気づかなかった。
きっと、俺が見ようとしてなかっただけで世界はこんなにも綺麗で。
こんなにもぬくもりが溢れてたんだ。
「ん、いいんじゃねーか?」
「え?」
ねぇ、尚也。
俺、今まで尚也のことを “ 咲希ちゃんを裏切った人 ” として見てた。
友達だった頃の記憶を頑張って書き換えようとしてた。
そうでもしないと、咲希ちゃんの傍にいちゃいけないような気がして。
もしかしたら、知らないところで気持ちを押し殺してたのかもしれない。
でも。
「大切なのはどの道を選ぶかじゃなくて、どんな気持ちで向かっていくか……だろ?」
でもそれは、尚也も同じだったのかもしれないね。
俺よりも、尚也は1人で乗り越えようと頑張ってたんだ。



