桜蘭ちゃんは一体、俺にどうしてほしいの?
もしかして、自分が傷つくのを承知で俺にヒントをくれてる?
俺がまた逃げないように。
恐れないように。
俺の心を奮い立たせようとしてるの?
「あたしが言うのは変だけど、石塚なら大丈夫だから……」
桜蘭ちゃん……。
桜蘭ちゃん、桜蘭ちゃん。
この気持ちはなんだろう?
空っぽだった心に何かが注ぎ込まれていくような、そんな感覚。
「だから、逃げないで。ちゃんと向き合ってよ。バカ……!」
不器用だけと、優しくて、あたたかくて。
どんなに自分が辛くたって、俺を包み込もうと向かってきてくれる。
そんな1つの勇気があることに、俺は今気づいたよ。
大丈夫。俺達ならきっと、大丈夫。
もうあのときの俺とは違う。
逃げてばかりの昨日までとは違う。
桜蘭ちゃんのおかげで、大切なものに気づけた気がするよ。



