「ねぇ、お願い。聞いてよ……っ!」
聞きたくない。
そんな言い訳みたいな話、聞きたくないよ。
だって結局は、尚也の心を遊んでた理由を話すんでしょ?
それなら、謝罪の言葉も言い訳も、聞きたくないよ。
「咲希ちゃんと尚也を傷つけたくせに、なんで……っ」
なんで今更そんなこと言うんだよ。
俺の悲痛な叫びは、人気のない廊下に響いた。
女子相手に自分の気持ちを投げつけるなんて、情けないと思った。
それでも俺は、抑えきれなかったんだ。
桜蘭ちゃんだって辛いのは同じなのに。
好きって気持ちは変わらないのに。
なんでこんなにも上手くいかないんだろう。
「俺だって、咲希ちゃんのことが好きなのに……っ」
こんなに取り乱すなんて、情けない。
でも今はそんなことを考えてる余裕はなかった。
ただただ、咲希ちゃんと尚也のことを思うと悔しさでいっぱいだった。



