桜蘭ちゃんは無表情で授業を受けていた。
いつもは積極的に話しかけてくるけど、今日ばかりは静かだった。
ぽっかりと空いた後ろの席も静かで……なんだか、無性に尚也と話したくなった。
今まで俺、何やってたんだろう……。
◇◆◇
5時間目の終了を告げる告げるチャイムが鳴ると、俺は急いで教室を飛び出した。
走れ、速く走るんだ……!
「咲希ちゃん……っ!」
1組の教室で息を切らしながらも咲希ちゃんを呼び出すと。
驚いた様子で咲希ちゃんは駆け寄ってきた。
「尚也が、いなくなった……」
俺がそれだけ伝えると、咲希ちゃんは心配そうな、慌てた表情で俺を見る。
「ど、どういうこと……?」
「だから、尚也と桜蘭ちゃんが別れて……っ、尚也がどっか行っちゃったんだよ!」



