……いや、そんなの嘘。
俺はただ、弱ってる咲希ちゃんに漬け込んだだけなんだ。
最低だってわかってる。
でも、ずっと前に進めないで泣いてる姿を見てる方が辛かった。
何より、咲希ちゃんには幸せになってほしかったから。
尚也ができないなら、俺が幸せにしてあげたかった。
あの眩しい笑顔を、もう1度見たかっただけなのに。
そして。
「石塚……?」
咲希ちゃんと分かれて1人になった俺は、誰もいない廊下をトボトボと歩いていた。
すると、後ろから誰かの足音が近づいてくる。
それが、桜蘭ちゃんだった。
「何してんの?こんなところで」
不思議そうに俺の目を見つめてくる桜蘭ちゃん。
正直、咲希ちゃんや尚也の話はしたくなかった。
でも、桜蘭ちゃんならいいかな。
そう思ってしまう自分がいたんだ。



