◇◆◇
そしてある日。
班で行動する時間があった。
尚也とも同じ班だけどあまり話したくなかった俺は、隣の席の桜蘭ちゃんと話していた。
尚也も、自分が避けられてることに気づいてるんだろう。
だからきっと、その日の放課後に俺に話しかけたんだ。
「石塚」
ちょうど部活へ行こうとしていた俺のところに、尚也が来た。
向かい合うのも、話すのも久しぶりで、なんだか緊迫した空気が流れる。
「……何?」
そっけない顔で、冷たくそう言い放つ。
尚也は、咲希ちゃんを傷つけたんだ。
理由はわからないけど、咲希ちゃんを泣かせる奴とは友達じゃない。
尚也とは、話したくない。
そう思っていたはずなのに、次の言葉を聞いて一瞬でそんな考えは消えた。
「……咲希のこと、よろしくな」
消えかかったようなか細い声で、そう言ったんだ。



