「……逃げんの?」
その言葉に、ビクッと体が震える。
逃げたくない。向き合いたい。
でも、でも怖いよ。
「俺に向き合うことを教えてくれたのは咲希だよ」
なだめるような、懐かしむような、そんな口調。
その声のトーンに、激しかった動悸が落ち着いていくのがわかる。
「恋の楽しさや苦しさを教えてくれたのも咲希だった」
私もだよ。
そんな感情、尚が初めて。
「俺、咲希みたいにまっすぐな人になりたい。誰かを照らせるような人になりたい」
私は、尚にいつも助けられてるよ。
暗い道を照らしてくれるのは、いつだって尚だけ。
「咲希じゃなきゃダメなんだ」
ねぇ、私も同じ。
隣に尚がいてくれなきゃ笑えない。
「────咲希、好きだよ。俺と付き合ってください」



