「尚のことが、忘れられないの……っ」
ついに、言ってしまった。
もう後戻りはできない。
これでもう、“ 友達 ” って関係も崩れちゃうんだ。
私達はもう、一緒にいられないんだ。
「……ごめんね。じゃあ、行くから」
こんなこと言いたくない。
冷たくするために伝えたわけじゃない。
でも、尚を困らせたくないから。
こうするしかないから。
そう思って、尚に背を向けて歩き始める。
「待てよ……っ!」
その尚の言葉で、歩く足が止まる。
振り返りたい。でも怖い。
きっと、何か言われる。
あのときのように暗闇をさまよう、そんな言葉を。
「まだ、返事してねーよ」
そんなのいらないよ。
そう言おうと思ったのに、口が開かない。
ねぇ、もうここにいたくないよ……。
早く逃げ出したい。



