イケメンエリート軍団の籠の中




凪とタロウは顔を見合わせて笑った。
凪は大げさに横に座る舞衣をずんずんと押し出す。


「うさ子よ、52階に住んでいる凪様を甘く見ちゃダメだぞ。
そんな自分の家に帰るのに、なんであんなロビーを通らなきゃならないんだよ」


一般市民で育ってきた舞衣には、その凪が言わんとしていることさえ理解できない。
舞衣が小さい頃に住んでいたマンションは、その地域では豪華マンションだったが、最上階の部屋の価格が違う人達でも、ちゃんとエントランスを通ってエレベーターに乗っていた。


「凪さんの借りている52階のお部屋には、専用の入口とエレベーターが、正面玄関と駐車場側に2カ所独自に設けられているんですよ」


舞衣はいつの間にか凪に手を引かれ、そのタロウの言う駐車場側の独自のエレベーターに3人で乗り込んだ。
エレベーターの前には小さなエントランスがあり、そこにはコンシェルジュが座っていた。


「あの、さっきエントランスにいたコンシェルジュの人って、あの人も凪さん専用なんでしょうか?」


凪はさりげなく舞衣を抱き寄せる。
そこにタロウがいようがお構いなしに。


「俺専用っていうよりは、52階に住んでいる人専用だな。
俺にとってははっきり言って全く必要ないけど」