イケメンエリート軍団の籠の中




「な、凪さん……
あの方は誰ですか??」


舞衣は凪の隣に座ると同時にそう聞いた。


「タロウ?
あいつは、俺の運転手兼、う~ん何ていうかお世話係みたいなもん」



「お世話係?」


舞衣はそれ以上何も聞かないように口をつぐんだ。

だって、お世話係って?…
一体、何のお世話をするんだろう…
お年寄りでもない若くて元気な青年のお世話って何がある?…

舞衣はジャスティンの顔が浮かんだ。

もしや? 凪さんも??


「何をブツブツ言ってるんだ?」



「あ、いや、あの…
タロウさんと凪さんは、一緒に住んでるんですか?」


すると、前の運転席から声がした。


「舞衣さん、凪さんみたいな完璧な人は、中々、家の中に他人は入れないんです。
だから、僕は、凪さんの家に入ったことはありません。
いつも玄関先で用件を聞きます」


舞衣と同じ位の歳に見えるタロウという男は、凪を尊敬し忠実なのがその姿勢で分かった。


「あ、そうなんですね…
答えてくれてありがとうございます」


タロウはちょっとだけ後ろを向いてニコッと笑った。
その時のタロウの視線が、舞衣のうさぎの耳のフードにいくのが分かると、舞衣は急に恥ずかしくなった。

変ですよね?… 私のこの恰好…
タロウさん、私、普段はこんなんじゃないんです~

舞衣は本当に恥ずかしくて、下を向いたまま上目使いで凪を見た。

凪はいつもの厳しい目をし、豊かでかつ冷静な知性の持ち主という仮面をかぶり、流れゆく外の景色を眺めている。
がしかし、その表情とは真逆に、舞衣の背中に回した手は、休まずにうさ子の耳を撫でていた。