舞衣は微笑みながら、凪を家にいれるべきかどうか悩んでいた。
テーブルの上には飲みかけの缶酎ハイと、おつまみのさきいかが載っている。
それにこの恰好……
今はかすみ草の花束でかろうじて隠れているけれど、この上下のうさぎのフリースは確実に人格を問われてしまう。
舞衣が躊躇しているその横を、凪は遠慮することもなく、するりと抜けて中へ入った。
「な、凪さん、あの」
そう言った時は後の祭りで、凪はテーブルに載っている缶酎ハイを手に取り、何か凄いものを見つけたようなしたり顔をして舞衣を見た。
「…………」
舞衣は何も言えずに黙り込み、かすみ草の花束を抱えたまま呆然としている。
「全然、いいじゃん。
この手の類の酒、俺、飲んだことがないからさ、次の飲む時は俺も誘って」
凪はそう言うと、こたつのテーブルの前にドカッと腰かけた。
「いや、なんかさ、ジャスティンが舞衣が落ち込んで帰ったって騒いでたから。
だから、ちょっと様子を見に来ただけ」
舞衣が神妙な顔で凪を見ていると、凪は立ちすくむ舞衣に座ればと目で合図をした。
舞衣は軽く笑って頷くと、凪の前へゆっくりと座った。
凪はそんな舞衣を目を皿のようにして見ている。
「そのでっかいの、どっかにやれば?」



