舞衣は、昨夜寝てないせいもあって、なんだか頭の中は異常なほどに冴えている。
変なアドレナリンが出ているみたいに、心の感情に強制的に蓋をして、気丈に振舞い取り繕った空元気でその場をどうにかしのいでいた。
「舞衣、始めようか?」
ジャスティンが舞衣のデスクに来てそう言った。
「あ、はい……」
本当のところ、舞衣は、今日はジャスティンと二人っきりになりたくなかった。
ジャスティンを前にすると抑えつけている自分の感情が、助けを求めるように騒ぎ出すのが分かっていたから。
二人はいつもの会議室に入った。
「大丈夫? 顔色が悪く見える…」
舞衣は精一杯笑って見せた。
「ジャ、ジャスティンさん……」
もうダメ……
こんなに早く涙が出てくるなんて……
「わ、私、どうしたらいいのか分からないんです……」
ジャスティンは立ち上がり、ティッシュの箱を持ってくると舞衣の前に置いた。
「何でもいいから話してごらん、聞いてあげるから…」
舞衣はティッシュを取り出すと、あふれ出てくる涙を必死に抑えた。



