イケメンエリート軍団の籠の中




舞衣は固まってしまった。
別に嫌悪感とかそういうのではなくて、ゲイと名乗る人とこんな風に面と向かって話すのは初めてだったから。
でも、この動揺をジャスティンに悟られたくなくて、舞衣はまた余計な事を言ってしまう。


「ゲイ、はい、承知しました…
素敵なことだと思います、あの、その、なんというか…」


ジャスティンは大声でゲラゲラ笑った。
何度も舞衣にグッドサインを見せながら。


「舞衣、だから、僕には何でも相談して。言いにくい事でも何でもいいから、OK?」


舞衣は小さく頷いた。


「この東京支社には、約20人の社員がいるんだけど、半分はこの場所には来ないんだ。
在宅で仕事をしてる人もいるし、海外にいる人もいる。

ま、IT事業ってパソコンさえあればどこでもできるからね。
ある意味、自由ではあるけど、自己責任の大きさも計り知れない。
この会社のネームバリューは、世界でもトップクラスに入る信用と信頼を得ている。
その一員として働くわけだから、皆、レベルが高いし、頭がいいし、完璧な人間でなくてはならないんだ。
あ、もちろん、仕事に関してはだけどね」