三枝くんは終始謝りながら会話を閉じる。


振り返った彼の表情は、さっきよりも少し晴れやかに見えた。


「…これでいいだろ?」


「うん、よく頑張ったね」


「うるせー…!」


戻ってきた携帯電話には、三枝くんの頑張りの証がちゃんと残されていた。


【通話時間 03:47】


短いのか、長いのか。


微妙な時間ではあるものの、この数分の間に込められた思いの強さは、きっと計り知れない。


三枝くんにとって、決して無駄じゃない時間だったと、私は1人思うのだった。