「お客様は何名様でしょうか?」


あんなに列に並んでいた私たちも、気付けばもう入り口の手前。


ハロウィンの仮装かと思うほどの立派な魔導師の格好をした、おそらくスタッフだと思われる女性に尋ねられる。


ジェットコースターの時は私たちが最後尾だったために、前の人を最後に聞かれることはなかったのだが、今回はそうもいかない。


何て答えるべきか、答えは分かっているはずなのに、つい逢坂くんの方を見てしまう。


すると彼は、私の視線に気づいたのか否か、当然のように女性に向かって答えを出した。


「2人です」


「では、こちらが人数分のライトと地図、それからお札になります。お札はそれぞれ、地図に記載されてある箇所に収めてきてください。それでは、無事で帰ってこられるよう、お祈り申し上げます」