それは10年くらい前、私が5歳位の頃。 私には同い年の幼なじみがいた。 その子は男の子やんちゃで、私はいつも振り回されていた。 そんなある日彼は引っ越すことになってしまった。 彼がいなくなってせいせいするはずなのに、私はすごく悲しかった。 彼を乗せたトラックが動き出したとき、私はトラックを追いかけていた。 その日は雨で、私は傘をささず走った。 私の頬には雨とは違う温かいものが流れていた。 泣き叫ぶ私の前にトラックに乗っていたはずの彼の姿があった