iris

青春・友情

夕空*/著
iris
作品番号
1395794
最終更新
2017/01/01
総文字数
0
ページ数
0ページ
ステータス
未完結
PV数
0
いいね数
0
ビーーーーーー

私はこの音が嫌いだ。
バスケを始めた頃からその音を聞くと耳を塞ぎたくなる。
その音は様々な意味を要すると思う。
敗者の悔しさ、悲しみ。勝者の喜び。待つ者への不安、興奮、喜び、期待。おろされる者の悔しさ、期待、安堵。

「緊張してる?」
10分のハーフアップが終わり、体育館の隅でストレッチをする私の横に夏栄がきた。
「そーでもないよ。」
夏栄とは小学校からの付き合いだ。彼女がバスケを始めたのを見て私も初めた。
「彩芽は強がりだね。震えてる癖に〜」
「そんなことない、」
「気になる?」
「うん。相手の15番、アンダーの選手だから何してくるかわかんない」
「そんな子が何でそんな名の知れてないとこ(中学)行ってんのかな〜」
「夏栄マークつくんでしょ?」
「そーほんと最悪」
夏栄は腰を伸ばし始めた。その横で開脚をした。
「まだ腰痛い?」
「大丈夫だよ。これ負けたら3年の先輩引退だから、頑張んなきゃね」
ビーーーーーー
3Q目が始まった。
「これどっち勝つと思う?」夏栄に質問してみた。
得点は41対32、どちらが勝つかまだ分からない点差だった。
「あのね、3Qで先制点取った方がどの試合も必ず勝つんだって」夏栄が自信満々で私
「逆転劇はないと思う」
「まー見ててって」
こんなやり取りをしている間にも青チームの6番がシュートを放った。それはリングの端にあたり落下してきた。丁度落ちてくる所にアウトをしていた白チームがリバウンドを取った。
「こっちこっち!」PG(ポイントガード)がリバウンダーに対して声をかけた。すぐさまパスが来た。そのPGはボールを受け取るとハーフまで運んできた。その時既に4対3、アウトナンバーのチャンスだった。PGはドライブを仕掛けた。だか、ストップ&ジャンプシュートの振りをしてノーマークになっていた3Pシューターにボールを受け放った。当然ディフェンスは揺さぶられ中学生の体力で間に合うなくシュートが放たれた。チェックも出来ていなかった。放たれたボールはスッとリングに入った。
41対35、点差6だった。
夏栄は微笑むと、逆転劇あるかもねと言った。

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