まぁ、いい。
とりあえずは、この図書館の探検をしながらだな………
それから翡翠は、あっちに行ったりこっちに行ったり、たまに動く本棚に邪魔されながら、あてもなく進んで行った。
ふと、気がつくと、周りには先ほどまでいた人が誰1人いなくなっていた。
辺りは静かで、割と薄暗い。
もう、閉館時間か?
とりあえず、来た道を戻ろうと後ろを振り返るが、そこはもう本棚によって塞がれていた。
えー……、うそだろぉ……
どーすんだよ、ここへ来て迷子とか、やめてくれよー……
半ば、途方にくれていた翡翠。
すると急に、男なのか女なのか分からない、中性的な声で翡翠に話しかけて来た。
「…どのような本をお探しで……」
突然話しかけられた翡翠は、案の定驚き、目の前を見た。
するとそこには、ヴェネツィアの仮面舞踏会に使われるような、仮面をつけ、自身の身長よりも少し長めの深い紫色をしたローブを羽織る奴が、立っていた。

