「なに? 彼女いないって聞いて、安心した? 」 赤信号で車が止まる。 「うっ、いえ……」 まるで自分の心の中を透視されたかの様な感じがして、思わず俯く。 「……ハル、」 名前を呼ばれて顔を上げると、明彦さんの顔が視界いっぱいに広がる。 「えっ、」 唇が、触れそうに……