秘密の告白~おにいちゃん、あのね~

 隣でさも当然のように腕を絡める遥姫が、これから選ぶ未来をひとり勝手に想像してみた。

 きちんと遥姫を見てくれる人だといい。
 一緒にケンカできる人だといい。
 本当は、寂しがり屋だと気づいてくれる人がいい。

 そんな僕のワガママは彼女が望むものとイコールではない。
けれど、最初で最期の東……いや、一ノ瀬匠という男としての遥姫を思う気持ちとして伝わればいいと思う。

 それまで、僕は君の最愛の人でありたい。

「はい、チーズ!」

 母の声に、さらにぎゅっと掴まれる腕の重みを、僕はこれからも愛しく思うだろう。

だって、君は僕にとっても最愛の人だから。


「お母さん、どう?撮れたー?」

 写りを確認しに母の元へ駆け寄る遥姫の後ろ姿を見て、僕は思ってしまった。


「新しい、恋がしたいな」

 できれば、今度は報われたい。
そして、好きになったらきちんとすぐに伝えよう。

絡まった後の糸の色を確認するよりも、自分で赤い糸を結び付けられるように。




 そんな風に思いをはせる、新しい春のことだった。


-fin-