「ねぇねぇ死神ぃ~! 今度は誰を殺すのぉ?」


月乃が甘ったるい声でそう言ってくる。


お前らの内の誰かだよ。


心の中でそう返事をするが、表向きには傷ついているフリをした。


今の内にイジメたいだけイジメておけばいい。


どうせお前らは全員自殺する運命にあるんだから。


そう思うと、アンミたちの罵声なんて可愛いものだった。


聞けば聞くほど笑みが溢れてきて止まらない。


とことん人を見下してバカにしていればいい。


あたしは死神だ。


人間なんかに負けるわけがない。


「ちょっと、アンミ来て」


あたしをからかっていた月乃がそう言い、アンミを連れて廊下へ出て行った。


教室に1人になった百花はあたしに興味をなくしたようで、すぐに自分の席へと戻って行った。


心なしか教室の雰囲気も和やかなものに変わったきがする。