自殺カタログ

アンミが落ちた石段を通り過ぎた所で、後ろから声をかけられた。


「おはよう、芽衣」


驚いて振り返ると、晃紀が立っていた。


「晃紀、こんな所で会うなんて珍しいね」


「あぁ。昨日は友達の家に泊まってたんだ」


晃紀があたしの隣に並んで歩き出す。


「だからこんな場所で会ったんだね」


「あぁ」


そう言って嬉しそうに笑う晃紀に、心臓がドクンッと跳ねるのを感じた。


そういえば、あたしは晃紀の名前だけ持っていない。