母は、本気で父を愛していた。



そして、自分にも、夫にと似なかった私を
恨んだ。



1番古い記憶は、



母の



『あの人が居ないなら
貴方なんて産むんじゃなかった』



それだけだ。



遊んだ記憶でもなく、



ただその言葉だけが1番古い記憶だ。



「愛生?」



先輩の、優しい声が、



思い出した心の傷に滲みる。



先輩の背中が分からなくなる。



先輩の背中に額を押し付ける。



声は出しちゃダメだ



「愛生」



「先輩、少しだけ、少しだけ、このままで」



「うん」



「先輩、



私は、犯されたことがあります。」




「うん」




「知らない、生理的に無理な男でした。」




「うん」



「その男と、私はSEXをしました。



私は、処女ではないです。」



「うん。」



「私は、汚れています。



こんな、汚れている私だけど、



少しだけ、少しだけ、触れさせて下さい。」



「愛生」



「、はい、」