サクサクと歩いていく波瑠の背中は
男の人と言うことを物語っている



それでも、握られている手のひらに
熱を持っていても



嫌な感じはしない。



むしろ、ドキドキと胸が音を立てている。



「愛生、大丈夫か?」



「はい、ありがとうございます。」



「いや、良かった。なんもなくて。
目も、大丈夫か?」



そう言って先輩が目元を撫でてくるので
無意識に力を抜く。



「あ、悪い、いや、だったよな」



「いえ、まったく。
私、先輩だと男性は嫌いじゃないようです。」



「そ、そうか。」



「はい。
先輩は、女性は苦手だったんじゃ」



「あ、あぁ、俺も愛生なら平気だ」



そう言って楽しそうに笑う先輩は
ほんとにかっこいい。



「愛生。乗れ。海行くぞ。」



「え?」