紫苑side


カシャン…


フェンスを背に座る。


「信歩…全然話さなくなったね。」


【そうすれば俺らと関わらないと思って
わざと遠ざかってるんだろ。】


下を見ればあの桜が見える。

一人で飯食って、
予鈴が鳴るまでジッとしてる。


「紫苑、お前が最近調べてんのは
『朱雀』の事だったのかよ。」


「総長が幹部に隠し事とはいけませんね。
信用なくしますよ?」


「酷いよねー。」


信歩の事を黙ってたのがそんなに
気に入らなかったのか口うるさい。


「まぁまぁ…。
紫苑も悩んでたって分かったんだし。」


捺央はアッサリ納得してくれて助かる。