紫苑の家は凄く広い。 それは、一人じゃ孤独を感じる程。 『おっきい家だね!』 気まずい雰囲気にそんな事しか言えない。 【朱音さんにこの家を売ってくれる様に 頼んだんだけどな。 部屋を見る限り掃除もされてるから 元々売るつもりなんてなかったらしい。】 …え? 『売るって……。』 【そのまんまの意味だ。】 いつもの紫苑じゃないと思う位に冷たい瞳。 それは、皆が言う『白夜叉』だと思った。