はじめまして。加隈大輝くん」



「!?」



翌日、大翔は大輝くんに近づいて言った。



「はじめまして。加隈大輝です、宝生大翔くん」



大翔の目は、大輝くんをにらんでいる。



「莉乃ちゃんと宝生くんは幼なじみなんだっけ?フラグ立ちまくりじゃん」



「あ?お前だって、席が近いってフラグ立ちまくりじゃねーか。俺らはただの幼なじみなんだし」



どういうことなの?大翔と大輝くんは何に対して戦ってるのよ。



「絶対に莉乃は渡さねぇから」



「わかんないよ?俺だって本気だから。莉乃ちゃんのこと」



わ、私!?



「ど、どういうこと??私、なんかした?」



「「鈍感だな。莉乃(ちゃん)は」」



「「!?」」



「ハモったねぇ。で、どういうこと??」



「莉乃ちゃん。俺は……。俺は、莉乃ちゃんが、じょ、女優の霧宮莉乃ちゃんが好きだよ」



「え?あ、うん。ありがとう!私も声優の加隈大輝くんが好きだよ」



「あぁ。可哀想。なぁ、莉乃」



「え?」



大翔に呼ばれ、大翔の方を向くと、大翔は私にキスをする。



「…………」



「…………」



教室がざわざわしている。公衆の前でそんなことやるか、普通。



「俺と莉乃。こうゆう関係だから、お前なんかに邪魔させない」



「へぇ。でも、莉乃ちゃんは宝生くんのこと、そうは思ってなさそうだね。宝生くんだって、さっきいってたじゃん。『俺らはただの幼なじみ』とかなんとか。俺は、莉乃ちゃんを君から奪う」