「莉乃。お前、前の席の奴と楽しそうに話してたな」



学校が終わり帰宅途中、大翔がいきなり言い出す。



「え?そんなことないよっ。大輝くんは私の好きな声優で、私は大輝くんの好きな女優ってだけ」



「は?なにそれ」



私は事実を言っただけなのに、大翔は怒り始める。



「意味わかんね。そいつ、莉乃のこと狙ってんじゃん。これでも、莉乃は女優の端くれなんだから、気を付けろよ」



「は?なにいってんの?」



意味わかんないのはこっちだよ。なんなの?



「まだ、わかんねーの?」



え!?



大翔は私に近づく。そして……



「!?」



キスをされた。



「な、何すんのよっ」



「莉乃、嫌なの?」



「え……」



大翔はなんなの?いきなり、キスするとか、全くわからない。



「帰るぞ」



「う、うん」



キスのことはなかったように、大翔は歩き出してしまう。



ななななな、なんなの!?