君が嫌いな君が好き

電車に乗って――と言うか、社長も電車に乗るんですね――、2駅先のところにあるテーマパークに到着した。

「わーっ…」

遊園地なんて子供の時以来だから久々だよ…。

そう思いながら遠くの観覧車を見つめていたら、
「本当に男と行ったことがないんだな」

隣に立っていた久米が話しかけてきた。

「ま、まあ…」

ごめんなさいね、男性経験がなくて。

心の中で毒を吐いていたら、
「梅乃」

久米が私の名前を呼んだ。

「えっ…?」

いきなり何でしょうか?

何があったと言うのでしょうか?

訳がわからなくて首を傾げていたら、
「おいおい、自分の名前を忘れたのかよ」

久米がバカにするように笑った。