「じゃあ準備してるねっ」


そう言って、ロッカーに向かう私を
美和ちゃんは呆れた顔で見ていた。


次の教科で使うものを出してると、頭の上に
重みを感じて、上を見る。


「ちょっと、私は物置じゃないよ!」

「ぶはっ…! さっきはありがとな」

キッと睨みつける相手は近藤。

笑いながら、私の斜め上のロッカーを開けて
物を出していた。


「もう、髪の毛ぐしゃぐしゃになるでしょ!」

「ごめんごめんって」

謝りながらも、笑ってる近藤につられて
なんか私も笑ってしまった。


「近藤のばか! 美和ちゃんのとこ
戻るから早く用意しな~」


そう言うと、携帯をいじってる美和ちゃんの前まで走っていった。