「絢乃帰ってやれよ~ お前がいると高瀬が可哀想だろ~」 「えっ?なんで?」 恭介先輩が気の利いたことを言ってくれたと思いきや、 「梓ラブなんだよこいつ」 言わなくていいことを言ったので、私は顔が真っ赤になってしまった。 「あ、そうなんだ。高瀬~何ちゃん?」 「鈴奈……です」 「鈴奈ちゃん、ね。よろしくね」 それだけ言うと絢乃さんは微笑んでドアに向かった。 その瞬間 「絢乃、気をつけろ」 梓先輩がぶっきらぼうにそう言ったのを絢乃さんは少し嬉しそうに笑っていた。