え……?


「…声だけで私って、分かったんですか?」


それが、嬉しくて先輩に聞いてしまう。


「……あんだけ毎日聞いてりゃ声ぐらい分かるでしょ。」



その時、ふとさっきの言葉を思い出した。



"梓、高瀬のこと嫌ってないと思うよ"



今なら、私だってそう思ってしまう。




だって、だって……



いくらなんでも、それはずるくないですか?