冷たいけど、優しく言う先輩の声に私は泣いてしまう。
「……っ、頑張ったのに…! ご褒美ほしかったのに…。」
下を向いて、グーにした手に力を入れながら、泣いてると先輩はいつものように言った。
「……残念。」
それだけ言うと私の足に水をかけた。
ビックリして先輩の顔を見ると、楽しそうに笑って私を見た。
「……これ、痛いんですからね!」
いつの間にか、泣き止んで私は水を足につけながら言った。
「もう!今年は残念でしたけど、来年は絶対ご褒美貰いますからね!」
洗い終わって、絆創膏を貼るといつもの笑顔で先輩を見てそう言った。


