私たちの前の人たちが走ったところで、先輩を見るとボケっと席に座りながら見ていた。



一位になったら、ご褒美…。


そう思ってスタートの位置につく。




「位置について、よーいドンッ」


審判の掛け声とともに、私は腕を大きく振って走り出す。 前に人は見えない。



素早い風のように走って、先輩をチラ見すると、女の子が触るところを見た。




嫌がらない先輩に、私は胸が痛くなる



どうして……?




パァンっと、音がして、同時に審判の声も聞こえてきた。


「ゴールっ」