そして、私達は数日間にわたる準備を終えて、本番を迎えた。
「よーし!みんな、優勝するぞー!」
赤色のハチマキを巻き付けると、私は手をグーにして高くあげた。
「おー!」
みんなも、元気よく手を高くあげると、応援席に座った。
競技が始まると、私達は大きな声で応援し合う。委員の人が率先的に。
「あ、先輩だよ 鈴奈!」
美和ちゃんの言葉に、私は視線を校庭に移して、ダルそうに走ってくる先輩を見る。
「……どうしよう、美和ちゃん」
その姿を見て固まってしまう。
「な、なに…?」
「かっこよすぎて……幸せだ」
私が泣きそうになりながらそう言うと、美和ちゃんは呆れた顔で私を見て笑った。
「バカ言ってないで、ほら! あんた応援でしょ! しっかりしろ!」
「あ、そっか…! 」
そして、みんなに掛け声を教え、近藤とこれでもかってくらいの声を出した。


