「さて」
そう言って、聡さんは立ち上がり用意をし始めた。

「なんの用意してるんですか?」

と聞くと、お仕事に行く用意をしているらしい。聡さんのお仕事はデザイナーで、いろんなお洋服を作っているらしい。

「綾音ちゃんも学校でしょ?行かなくていいの?」

私はハっとして時計を見るといつも家を出る時間をすぎていた。

「やば、い、いってきまーす!」

「ふふ、いってらっしゃい。」

その言葉を聞き、ドタドタと走りながら満面の笑みを浮かべていた。

「いってらっしゃい・・・いってらっしゃいだって・・・えへへー」

新婚さんみたい・・・!!!!同居生活も悪くないかも
お父さんお母さん、今までで一番感謝してるかもしれない!

私はスキップしながら学校へ向かっていた。
すると後ろから声が掛かる。

「何してんの?」

「真希ちゃん!」

天風真希(アマカゼマキ)
私のクラスメイトで、親友。
私の恋心を知ってる人。

真希ちゃんは、中学生に見えないほどスレンダーで綺麗な人。
憧れの存在でもある。

「なぁに?何かいいことでもあったの?」
クスクスと笑いながら私に話しかけてくる。
「いうけど、学校ついたらでいい?」

なにしろ、走りながら喋ってるのだ息が上がってしまう。真希ちゃんは、そうね。と言って前を向く。
私も、前を向いた