その後も、梓くんは熱心に私の話を聞いてくれた。聡さんの話を出すと不思議そうな顔をしたけど、きっとどんな人か想像がしづらかったのだろう。

「で?その話を聞いて真希はなんて?」

「真希ちゃんは、誘惑、もしくは褒めるそれか、料理って言ってた」

「料理・・・上手いのか?」

と、信じていないような目で見られる。
流石にひどい。

「でーきーまーすー!」

「ほんとかよ。」
と、言いクスクスと先ほどの笑顔で笑う梓くん。
キレイな笑顔だなぁ・・・。

────ドクンっ

??なんで、心臓が早くなるの?
まぁ、いいか。

「信じてないの?じゃあ夕飯食べにおいでよ!」

そう言うと、え・・・。と唖然とした顔をした。

「あ、お母さんとか心配しちゃうかな?」

すると、いや・・・。と言ってから梓くんは俯く

「うち、帰っても親いねぇから・・・。心配とかしねぇし。」

そう言う、梓くんは少し寂しそうだった

「でも、俺邪魔じゃねぇか?」
と、首を傾げる梓くん。

どうして?と聞くと梓くんは、私と聡さん、二人っきりの方がいいんじゃないかと言った

「そりゃ、二人っきりがいいけど、でもご飯は大勢の方が楽しいもん!そうでしょ?」