雑音混じりのスピーカー
音質は最悪で
歪んだ音の中に
むき出しの感情が入っていた

罵倒
それが武器であり盾
言葉を操ったそれは魔法つかい
踏んだのは韻であり
決して相手の自尊心ではなかったのだ

蔓延する対立の裏側で
それは流れる海のように
メロディのない想いを叫ぶ
ヤンキーボーイ メンヘラガール
怖さ 臆病に 震える手
本当に戦うのは
汚れた世界か自分自身

尊敬と 罵りの 波を
スピーカーは捉えて跳ねた
承認欲求 きみは
深く被ったフードの奥で
笑っているのかも
わからないや

イヤホンを飲んだ 過ぎ去る 言葉 連打
きみが
刺した 目指した 光の果てに
負の肯定を矛盾的な恐怖を

知るのかと思うと
嫌い嫌い嫌い