――――花火大会会場
『わぁ、すごく混んでるね! 』
花火大会の会場の近所の大きい公園。
気温は暑すぎるぐらいなのに、この人だかりのせいか余計に暑く感じる。
ガヤガヤと何を言っているかわからない雑音。
人混みが嫌いな訳じゃないけど、好きでもない。
この背のせいか、周りの男の人はどうしても威圧的でやっぱり人混みは苦手かもしれない。
でも、花火大会は好きだ。
ズラリと並ぶ屋台からは、美味しそうな匂いが漂ってきて、ついつい足をそちらに持っていってしまいそうになる。
ブランっとぶら下がるチョーチンは夕方の空には、まだ不格好で夜になるのを待っているようにも見える。
「桜子! こっち! 」
すると急に唯ちゃんに腕を引かれ、神社の方へと連れてかれる。
『唯ちゃんどうしたの! 』
人だかりを避けて歩いてくと、段々と人が少なくなっていき神社の長い階段の前へ着く。

