「愛葉くんから聞いた。停学処分になったの。あれ私のためにやったことだったんだよね」
「…ったく…音楽のやつ…」
「ありがとうね。黒川くん。ずっと私のために…」
「…俺はいつも俺のために行動してるんだよ。自分が姫野さんに好かれたいために。姫野さんが自分のものになるために」
「…それが…すごく嬉しいの」
私がそういうと、黒川くんはまたボッと顔を赤くした。
「…姫野さんやばいよね」
「…な、何が?」
「こんな簡単に男のことその気にさせるから」
「へ?!」
黒川くんは、席から立ち上がると、私の方へ一歩近づいた。
「…隣でずっと我慢していた俺の身にもなってよ」
「…黒川くん」
────────ユラッ
!!!!
「黒川くん座ってっ!!」
「え?」
「…ゆ、揺れてる…揺れてるから早く座って!」
「…いや、姫野さん…今すごくいいとこ…」
「いいから座って!」
「……はい」
私が涙目で訴えたので、黒川くんは渋々、正面の席に座りなおした。



