「ぼっ……姫野沙良ちゃーん!」 !! 生徒玄関を出て、門まで向かって歩いていると、後ろから名前を呼ばれ、恐る恐る振り返る。 そこには、金髪をカチューシャでグインと上げておでこ全開の元気いっぱいの男の子がこちらに両手で手を振っていた。 …愛葉 音楽(アイバ オトラ)くん。 「南夏は?一緒じゃないの?」 愛葉くんが駆け寄って来て隣を歩く。 「あ…えっと…用事があるみたいで、そのあとバイトだって言ってました」 まだ愛葉くんと話すのに慣れていなくて少しどもってしまう。