【side 沙良】


「わー!沙良めっちゃ可愛い!!見たかったぁー!会いたかったぁー!」


「フフッ。あの時は勘違いしちゃって、楓ちゃんから逃げちゃったからね〜」


「本当だよ〜。でも南夏のこと頼めるのはまじで沙良だけだと思ってるからさ!よろしくね!」



カフェシエルで、学園祭の時の写真を黒川くん、愛葉くん、楓ちゃんと一緒に見る。



「…うわーやっぱ俺イケメンだわ〜」


愛葉くんが自分の写った写真を見て、そう言う。


「あんたそんなこと自分でペラペラ言うから彼女できないんだぞー」


「…はぁ?彼氏いない楓に言われたくありまちぇーん」


「うざっ。きもっ。で、南夏、おばさん体調どうなの?」


「…あぁ。すげぇいいよ。来週には退院できるらしい」


「わー!よかったじゃーん!そんじゃすぐ近いうち退院祝いやらなきゃね〜」



そう。
2ヶ月以上昏睡状態だった黒川くんのお母さん。


実は、私の誕生日の翌日に、奇跡的に目が覚めたのだ。


お医者さんも「奇跡」だと言ってくれて、目を覚ましたお母さんとも、もう2回ほどあってお話ができている。