「…黒川くんのお母さんって…どんな人?」
「んー…厳しくて綺麗好きで怒るとすげぇ怖い」
「……っ?!」
黒川くんが怖いって言うって…。
相当じゃない?
どうしよう…。
ちゃんと受け入れてもらえるかな…?
「…ふっ、そんな不安そうな顔しないでよ」
「…だって」
「大丈夫だよ。姫野さんのことは絶対気に入ってくれるから」
そう言って黒川くんが私の手をギュッと握りしめてくれた。
「そうかな?」
「…そうだよ。それに…怖いだけじゃない。すげぇ良いところもたくさんある人だから。料理はうまいし、仕事は真面目にやるし、人に辛そうな顔なんて見せないし、何よりも子供のことをずっと考えてくれてる」
黒川くんが、私に家族の話をしてくれてる。
それがすごく嬉しい。
「…すごくいいお母さんだね」
「ああ。すげぇいい母親だよ。今もずっと…」
黒川くんの最後のセリフに、少し違和感を覚えながら、私は黒川くんと病院のエレベーターに乗り込んだ。



