でも…私がしちゃった黒川くんの気分を害するようなことってなに?


うぅーー。


頭がまたゴーンと痛くなる。



シャッ



?!



いきなりカーテンが開いたと思ったら白衣を着た女の人が顔をちょこんと出した。



養護教諭の土屋先生。
去年、1度だけ女の子の日にお世話になった。



「黒川くんが運んでくれたのよ〜♪」


「え?!」


先生、今なんて?


運んでくれた?銀髪不良の黒川くんが、倒れた私のことを?!



「お姫様抱っこで」


土屋先生は嬉しそうにそう付け加えた。


どんな顔をしていいのかわからないまま、私は黒川くんの方を見る。



…え。


黒川くんは私の寝ているベッドに上半身だけ突っ伏して、顔を隠すようにした。



耳が真っ赤だ。


黒川くんも…熱?


「く、黒川くん…」


「病気とかすげぇ困るから。家に帰って早く治してよ」


黒川くんは頬を少し赤くして、ベッドに頬杖をつくと、少しふて腐れた顔をしてそう言った。