「隆介・・・!!ごめんね!ごめんね、本当に。」 私は寝癖の付いた髪を直しながら、隆介に駆け寄った。 エンジンを切ったバイクに座ったままの隆介が手を伸ばす。 「ば~か!」 右手で・・・ 私のほっぺをつねる。 窓から手を振るゆかりに、隆介は手を上げた。 「行くぞ!」 強引な隆介に手を引っ張られ、バイクにまたがる。 いつもこう。 行き先もわからない。 どこへ行くの? 何をしに行くの? わからないけど、それでいい。 あんたと一緒なら・・・ 別にどこだっていいんだ。