私の心配は、
その夜に現実のものとなった。
流血事件とまでは行かないけど、
隆介に、坂出さんの存在を知られてしまった。
晩御飯を作って、隆介の帰りを待っている時だった。
また坂出さんから電話がかかってきた。
登録していなかったから、誰かもわからず出たら坂出さんだった。
『美亜ちゃん、明日暇?』
「明日、デートです!!」
冷たくすればするほど、坂出さんは、追いかけてくる。
『じゃああさっては?』
「デートです!」
そんなやり取りを繰り返しているうちに隆介が帰って来た。
バイクの音がしたので急いで電話を切って、坂出さんの電話を無視できるように、番号を登録した。

