「彼氏いるから無理です!!」



私は、目の前に隆介の怒った顔が浮かんで、怖くなった。



「いいじゃん。俺の方が優しいよ!まずは友達からどう?」




軽い話し方の割には、真面目なんだって坂出さんの友達が言っていた。

だから、結構モテていて、短大にも坂出さんのファンがいるらしい。




「隆介君にバレたら、殺されるよね、坂出さん・・・」



ゆかりが耳元で囁いた。




「そうかな・・・実際、隆介が嫉妬してるところ見たことないからわかんないなぁ!」



ゆかりは、目を大きく開いて言った。



「たっくんから聞いたけど・・・隆介君も嫉妬深いみたいだよ!」



私は少し嬉しかった。


明らかに私の方が愛が大きい気がしていた。




嫉妬するのもいつも私。



昔からずっとそう。


鈴子に嫉妬していた頃のことを思い出すと、今でも胸が痛む。