くねくね道を登って行った場所が、ゴール地点。


「到着!」


メットを外した隆介の髪が乱れてる。

黒い髪。


私は涙が出そうになった。




その場所は、私が折り目をつけたあの『露天風呂付き個室でまったりしゃぶしゃぶ・・・』の旅館だった。




「隆介!!!」



大きな背中に抱きついた。




「はいはい…そんなに嬉しいなら、今からいっぱい奉仕してもらうとするか…」



乱暴に私の髪を乱した隆介は受付へ行く。



『矢野隆介・美亜』



やばいって!!!

夫婦みたい!!




それってすごくない?



部屋へ向かうまで、隆介は左手で私の肩に手を回してくれていた。



ドキドキ。

この旅館でどんなことが起きるんだろう。